《レポート》『光る絵本展in三陸鉄道』日帰りバスツアー
2021年3月12日。
東日本大震災発生から十年を迎えた三陸の地を、「光る絵本展」が三陸鉄道とともに駆け抜けました。トラベル・リンクでは、車内で開催された絵本展の見学と震災学習プログラムの体験ツアーを実施しましたので、当日の様子をたっぷりご紹介します。
朝6:50。バスは盛岡駅西口を出発。
今回は、弊社の募集ツアー知って応募した方や、絵本展の企画実施を手がける「ドリームシードプロジェクト」のクラウドファンディングにて支援した方などが参加されました。
まずは震災学習プログラム体験のため、釜石市鵜住居地区にある「うのすまい・トモス」へ。
敷地内にある「釜石祈りのパーク」では、震災犠牲者を悼む芳名と多くの献花に、
皆さん改めて驚かれていました。
続いて同敷地内にある「いのちをつなぐ未来館」にて被災状況・避難成功事例についてご紹介。
防災教育の紹介パネルに足をとめ、記録する方も。
その後は「釜石鵜住居復興スタジアム」へ徒歩移動です。施設案内は、震災当時この場所にあった釜石東中学校で被災した経験をもつ川崎さん。日頃から防災教育を受け「釜石の奇跡」とも言われる避難を実現した川崎さんの口から語られる言葉に、皆さん真剣に耳を傾けていました。
プログラム後半は、バスで根浜海岸へ。
「三陸ひとつなぎ自然学校」代表理事の伊藤さんによるガイドです。実際に伊藤さんが津波から避難した裏山の道を歩き、当時の状況・心境などを動画を交えて紹介。津波が押し寄せた際の貴重な動画も残されており、当時の緊張を肌で感じる瞬間でした。
震災学習を終え避難路を降りると、この日はいつものおだやかで静かな海や森が広がっており、
リラックスしたランチタイムへと。
この日のために素敵な会場を三陸ひとつなぎ自然学校の皆さんが準備してくださいました!
薪ストーブを囲んでの昼食後は、市内の橋野地区から取り寄せたコーヒーで温まります。
「昨日で震災から10年が過ぎた。今日からは前を向いて次の10年の復興活動につなげる。だから光る絵本展は3月11日ではなく今日から走るんですよ。」
と話す伊藤さん。その言葉に続き、「震災から10年」という節目について想いを語る方もいらっしゃいました。
プログラムの最後は記念撮影。皆さん、素敵な笑顔です。
午後からは、いよいよ「光る絵本展」出発駅の三陸鉄道 釜石駅へ。改札を通ると素敵なディスプレイが!この内装は「ドリームシードプロジェクト」に参加する学生の方々が設置してくれたもの。ホームに着くと、プロジェクトに参加する盛岡市や釜石市内の高校生スタッフがさわやかな笑顔を挨拶で案内してくれます。企画運営にも携わってきたスタッフの皆さんは、この日を迎えたことが嬉しくてたまらない様子。思わず周囲の皆様も笑顔になり、会場の雰囲気も盛り上がります。
列車の中は特殊加工した光る原画が各座席の窓に配置され、車内はさらに高揚感あふれる雰囲気に。13:25ついに絵本展列車が動き出しました。絵の背景には、釜石製鉄所がチラリ。
原画の美しさに、列車の中あちこちでは写真撮影も。中でも物語のラストを飾る希望に満ちたこちらの原画は、多くの方の心にとまり、トンネルに入った瞬間、作品は漆黒の闇の中で煌々と輝きを放ちだしました。トンネルが多いといわれる三陸鉄道の特徴を逆手に取った演出に、車内の雰囲気もますます盛り上がりました。
座席には絵本一冊ずつ用意され、絵本の場面と原画のシーンを確認しながらゆっくり読む方も。
各自お好きなペースでこの絵本展を楽しんでいました。
原画の背景は復興を続ける三陸の街並みにも変わります。
約1時間にわたる光る絵本展列車の旅は、あっという間にこの日の終点盛駅へ到着。「このままずっと列車に乗っていたい。」と皆さん名残惜しそうでした。列車を降りた後は、「キャッセン大船渡」でお買い物タイム。売り切れになるほどの人気商品「手作りクッキーシュー」を購入される方や、外でウミネコの鳴き声を聞きながら「かもめソフト」を召し上がる方もいらして、海がすぐ側にある町を満喫していました。
《お客様の声》
◎震災学習プログラム
「テレビで見るのと、実際にここに来て説明をしてもらうのは全然違う!」
(避難ルートを見て)「こんな距離を走って避難したなんて!」
「防災教育って大事ですね」
「若い人も震災の教訓語り部をやってるんだね」
「普段内陸にいると震災の事が風化してしまいそうたけど、こうやって話を聞けて良かった」
◎光る絵本展
「素敵な時間であっという間でした」
「もっとここ(列車の中)にいたかった~」
「三陸鉄道はトンネルが多いと聞いていたけど、トンネルの中で見る絵がとても美しかった」
「久しぶりに三陸に来るきっかけになりました」
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この絵本展を三陸鉄道で実現しようと企画したのは、盛岡市に拠点を構える「ドリームシードプロジェクト」。にしのさんの新作『チックタック 約束の時計台』のストーリーは、自然災害と疫病を乗り越えた先に約束が果たされるという希望に満ちた内容。これを震災から10年を迎える三陸にぴったりだということ感じたプロジェクト代表の山崎さんは、この作品のメッセージを被災地から発信したいと考え内陸や三陸の学生とともに企画実施に至りました。
このツアーを通して震災への理解を深めようとする参加者の真剣な眼差しや、それを発信している高校生など若い世代の方の目の輝きがとても印象的でした。
【実施要項】
【出発日】令和3年3月12日(金)または16日(火)
【旅行代金】 盛岡発着16,000円 花巻東和発着14,000円(2日間共通)
【募集人員】各回 8名様(最少催行人員4名様)集合場所より添乗員または係員同行
【食事条件】昼1 *当ツアーは、同日程で開催する別コースの参加者と合流となります
【集合場所】 盛岡駅西口(7:00)/花巻東和IC(8:00)
【交通のご案内】
JR:東京~盛岡[東北新幹線]約2時間半/盛岡~釜石[快速はまゆり]~鵜住居[三陸鉄道リアス線]約2時間半
飛行機:大阪~いわて花巻(JAL:約1時間半)/札幌~いわて花巻(JAL:約1時間)/福岡~いわて花巻(JAL:約2時間)/名古屋~いわて花巻(FDA:約1時間10分)
※所要時間は天候等で変動する場合がございます。
チラシはこちらから
【事業主催】ドリーム・シード・プロジェクト
【協力】一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校
【旅行企画・実施】リアス観光株式会社
岩手県知事登録旅行業2-98号
総合旅行業務取扱管理者 大久保誠
岩手県岩手郡雫石町高前田52-2
019-692-5869
【受託販売】トラベル・リンク株式会社
(一社)全国旅行業協会正会員
岩手県知事登録旅行業第3−227号
総合旅行業務取扱管理者 北田公子
岩手県盛岡市開運橋通2-23メイプル中央ビル開運橋3F
TEL:019-658-8644(平日10:00~17:30)
掲載日: 2021年03月31日