【ツアーレポート】岩手 盛岡 南部鉄器「釜定」+巨匠建築ツアー

東京designshop、岩手 盛岡・釜定で9/28から開催の「釜定 南部鉄器 あかりと結晶のかたち展」連携企画ツアー。2日間の様子を紹介します。

1日目

連休の中日で賑わう盛岡駅を10時40分に出発。まずはマリオス20階の展望室で盛岡市内を一望。
2日間ご一緒するみなさんと自己紹介を交わし、和やかな雰囲気でスタートしました。

かつてこの地で稼働していた国鉄盛岡工場。4Fアトリウムに外壁が復元展示されています。
「六角形の窓って珍しいですね!」「なんでこの形なんだろう・・」
 

西口バスプールを通り過ぎようとすると、実はここにも見どころがあるんです。
南部鉄瓶の鋳肌を連想させる柱に控えめに佇む、鉄でつくられた動物のオブジェたち。

ランチは盛岡駅前の「ぴょんぴょん舎」さんで盛岡冷麺。お店には行列。
参加者の中には県外から来られ、はじめて食べるという方もいらっしゃいました。
別辛のキムチやお酢はお好きなタイミングでどうぞ♪

盛岡の玄関口「開運橋」を横目に木伏緑地へ。食後の散策にピッタリでした。
ここからは貸切バスに乗って市内中心部へ向かいます。
 

ビルやマンションが立ち並ぶ開運橋通りに、巨匠建築が隠れていました。
東京都庁舎などで有名な、丹下健三設計の「あいおいニッセイ同和損保盛岡ビル」を外から見学。
「盛岡にあるとは知らなかった。」「細長くて奥行きがありますね。」

お次はちょっぴり北上し、緑豊かな岩手大学農学部へ。
宮澤賢治も学んだ「旧盛岡高等農林学校」の本館。現在は「農業教育資料館」として保存・活用されています。
  

本館と共に重要文化財に指定されている旧正門や門番所。「賢治さんもここを通っていたんですね~」
さすが広大な敷地、歩いていると野生のリスが姿を現してくれました。

ふたたび中心部へ戻り、IBC岩手放送の本社社屋をバスから覗きます。
改修部分も多いですが、建造時はモダニズム建築の世界的巨匠ル・コルビジェに師事した坂倉準三の建築。

建物全体を覆うツタの紅と緑のグラデーションが美しい「旧石井県令邸」。
「屋根が見えない!(くらい背が高い)」「ちょっと不気味だけどキレイ。」
 

ここからは紺屋町かいわいまち歩き。
レトロな街なみに残る歴史的な建築物をご案内。お土産選びも楽しいですね。
 

 

いよいよメインの釜定さんへ。
 

わたしたちを快く出迎えてくださったのは、三代目の宮伸穂さん。
導入として南部鉄器の歴史について伺いました。時代を超えて守られてきた伝統工芸の価値を改めて実感します。

続けて、滅多に入ることができないという裏側の南部鉄器工房へ。ドキドキ。
黒光りする室内、柔らかな砂が敷かれた床、さまざまな道具や材料。見慣れない景色にみなさん興味津々。
 

南部鉄器はどのようにして造られるのでしょう。
初心者でも分かりやすいように、大きく4つの工程に分けて、実演付きで説明してもらいました。

この数日後、嬉しいニュースが舞い込みました。宮さんが「現代の名工」に選ばれたのです。
甑(こしき)と呼ばれる素焼きの土器を使用した日本古来の技法「たたら製鉄」を研究し、さびにくい鉄器づくりを実現されたことなどが評価されたそうです。

見学させてもらったからこそ分かる、その凄さ。おめでとうございます。

最後に「釜定 南部鉄器 あかりと結晶のかたち展」を見学。柔らかなデザインの作品を見ていると、宮さんのお人柄がそのまま表れているように思えました。
 

特別に限定品やサイン入りの冊子「南部鉄器のある暮らし 釜定の仕事」をいただきました。
帰りにお土産を買っていかれるお客さんも。南部鉄器のある暮らし、憧れますね。

あたりはすっかり暗くなり、モダンな雰囲気につつまれる「九十九草(つくもぐさ)」さんへ。

濃厚な半日を振り返りながら、旬の食材を使った創作料理を楽しみました。 

「芋の子汁って岩手でも食べますか?」「盛岡の郷土料理ってなんですか?」盛岡の食の話題で盛り上がりました。参加されたみなさんの地元のお話も興味深かったです。
 

〆のお蕎麦。みなさんには、ぜひ別の機会にわんこそばにチャレンジしてもらいたいです!

ツアー1日目はこれにて終了。

その後、有志で二軒目へと足を伸ばしました。ワインの角打ちが楽しめる「ワインショップ・アッカトーネ539」。

茣蓙九さんの一角を改修してオープンしたという店内は、歴史を感じられる落ち着いた雰囲気。
以前は写真館として使われていた昭和レトロな建物でワインバーを経営されていた代表の松田さん。
ここでも“建築”トークが絶えず、美味しいワインに酔いしれる夜となりました。

お酒のつまみに頼んだピクルスや豆腐のくんせいもお酒にぴったり。つい箸が進みました。

 

2日目

キリっとした寒さが広がる朝7時。宿の北ホテルからほど近い盛岡城跡公園へ朝さんぽ。
 

静かな参道を通って櫻山神社へごあいさつ。
ここの主?もいました。この朝だけでも6匹の猫と遭遇。みんな早起き。
 

「ここがNYタイムス誌で盛岡が取り上げられたときの写真の場所です!」

300年ぶりの石垣修理で仮置き中の巨岩や啄木の碑をとおり、いざ本丸へ。
 

朱色の太鼓橋をわたると存在感のある建造物があらわれます。
元々は南部中尉銅像が立っていましたが、残念ながら戦時中に金属供出されてしまいました。
残された台座は、このあと見学する旧第九十銀行も手掛けた横濱勉の設計です。

ホテルに戻り、ランチでも人気なレストラン「窯」で朝食タイム。
落ち着いた雰囲気で優雅な時間を過ごしました。
 

和食/洋食を選べるのが嬉しいですね!
 

この日の巨匠建築まち歩きガイドは、内丸~中の橋周辺エリアをグルっとめぐりました。

おとなり矢巾町に移転した岩手医科大付属病院。
現在も岩手医科大学1号館として残るこちらの建物は、地元出身の葛西萬司の設計。

かつて宮沢賢治がここに入院したときに詠んだ詩碑も残っています。

そろそろ雪囲いが始まる国指定天然記念物・石割桜。
「鑑賞するうえでの表はどこでしょう!」「…道路側じゃないの!?」
分かって見ると楽しいですね。桜の見ごろの時期に、ぜひまたお越しください!

すっかり色づいたトチノキ並木沿いを歩き、6層の塔屋が特徴的な岩手県公会堂へ。
日比谷公会堂を手掛けた佐藤功一の設計です。どことなく雰囲気が似ています。

現役の施設として県民に親しまれています。
特別に大ホールに案内してもらうと、ちょうどポートレート撮影会中でした。歴史的な建物での撮影は映えますね。
 

 

中の橋をわたって河南へ。サケは戻ってきたかな?

この日も観光客でにぎわっていた岩手銀行赤レンガ館。

有料ゾーンでは、辰野金吾・葛西萬司が設計した「旧盛岡銀行本店本館」当時の設計図(復元)や重厚な金庫など貴重な品々を見ることができます。
  

かつての奥州街道沿いにひしめいていた銀行。
もりおか啄木賢治青春館として保存されている「旧第九十銀行」。
朝さんぽで見た“あの台座”も手掛けた横濱勉の設計で、動植物を連想させる意匠が特徴的です。

フリータイムをはさみ、館内の「喫茶あこがれ」や道路挟んで向かいの「お茶とてつびんengawa」でコーヒーブレイクする方も。
 

 

いよいよ最後の見学先。もりおか歴史文化館(元・岩手県立図書館)。
屋根は南部鉄器の鋳肌をイメージして作られたとか。
「屋根が左右対称じゃないですね。」「あれ、あの形とそっくり・・!?」

チャグチャグ馬コや盛岡山車が外国人観光客に大人気でした!
 

2日間の濃密なツアーはこれにて終了。
盛岡が誇る南部鉄器の工房や巨匠建築をじっくりと見つめ、今までの過程とこれから先を意識する時間となりました。

参加者のみなさんは、その後も盛岡市内散策やお買い物など楽しまれたようです。
ご参加ありがとうございました!

参加者の声(一部抜粋)
・今回のツアーでないと見学できない部分やお話を聞くことが出来て良かったと思います。
・一人だと朝早く起きて歩くことがないので、朝の風景が見れて新鮮でした。
・バスと歩きのバランスがほどよかった。
・釜定の皆さんが温かかったです。また行きたい!
・また機会を作ってぜひ訪れたいと思ったし、(スタッフ追記:南部鉄器を)使ってみたい気持ちになりました。

 


普段は立ち入れない南部鉄器「釜定工房」のアトリエをツアー参加者向けに公開、
巨匠らが手掛けた盛岡市内の歴史的建造物をバスツアーやまち歩きでご案内するなど見どころとクラフト見学プログラムを凝縮した2日間の行程です。
ぜひ秋の盛岡へお出かけください。


*kamasada photo koji sugawara


【募集要項】
旅行期日:11月4日(土)~5(日)
募集人員:各回20名様(各回最少催行人員8名様)
旅行代金:大人お一人様 36,000円
     (盛岡発着添乗員同行/宿泊代・貸切バス利用・食事3回・行程内見学料)
宿泊先:北ホテル(盛岡市内丸/洋室・1~2名様1室利用)
食事条件:朝1回・昼1回・夕1回

★嬉しいツアー参加特典
 釜定代表 宮伸穂氏サイン入り書籍『南部鉄器のある暮らし 釜定の仕事』を進呈します

【チラシはこちらから】


《行程》1日目(貸切バス利用)

10:40 盛岡駅 ご集合 *添乗員がお待ちしています

・プロローグ マリオス20F展望室より盛岡市内一望

◎盛岡の味「盛岡冷麺」のご昼食
(ぴょんぴょん舎盛岡駅前店または大同苑盛岡総本店にて)


貸切バスにて、盛岡の玄関口「開運橋」を通り市内中心部へ

◎あいおいニッセイ同和損保盛岡ビル【丹下健三】(外観見学)

◎岩手大学農学部「旧盛岡高等農林学校」【重要文化財】
岩手の童話作家・詩人 宮澤賢治ゆかりの建物
本館外観・門番所などをご案内

○IBC岩手放送 本社社屋
(車窓見学)【創建時 坂倉準三~改築】

~ホテルへチェックイン~

◎紺屋町かいわいまち歩き建物めぐり
中津川べり・ござ九・紺屋町番屋・旧 盛岡貯蓄銀行(現・盛岡信用金庫本店)【葛西萬司】などご案内



盛岡の歴史的建造物などを、歩いてご案内します。
レトロな街なみをお楽しみください。

◎釜定 南部鉄器制作工程等見学

*kamasada photo koji sugawara


#当日は展覧会連携企画として、当ツアー参加者のみ釜定でお求め頂ける限定品もご用意。

◎選べるご夕食プラン(AまたはBから選択・飲み物代は含まれません)

A)九十九草(つくもぐさ)
モダンな店内でゆったりと創作料理を楽しむ盛岡ナイト

B)そば処東家
盛岡に来たら一度は食べたい名物「わんこそば」ぜひこの機会にお召あがりください

・・・お食事後各自ホテルへ
▣盛岡市内宿泊(北ホテル)
・・・ごゆっくりとお寛ぎください


《行程》2日目

~徒歩にて朝さんぽ~ 6:45頃~7:50頃
◎盛岡城跡公園ご案内(ガイドつき)
櫻山神社参拝/南部中尉銅像台座【横濱勉】

<ホテルにてご朝食・・・チェックアウト>

9:00頃~
◎巨匠建築まち歩きガイド(盛岡市内丸~中の橋周辺)
✓岩手医科大学1号館(外観)【葛西萬司】

✓岩手県公会堂【佐藤功一 国登録文化財】

✓岩手銀行赤レンガ館「旧盛岡銀行本店本館」【辰野金吾・葛西萬司 重要文化財】

✓もりおか啄木賢治青春館「旧第九十銀行」【横濱勉 重要文化財】

✓もりおか歴史文化館(元・岩手県立図書館)【菊竹清則】

13:00頃 盛岡市内丸(北ホテル付近)にてツアー終了

ツアー終了後も、盛岡市内散策やお買い物などお楽しみください
 


見どころ1:普段は立ち入れない釜定工房アトリエを公開

東京designshop、岩手 盛岡・釜定で9/28から開催の「釜定 南部鉄器 あかりと結晶のかたち展」に合わせて、普段公開していない、釜定工房の南部鉄器製作アトリエを見学および釜定代表の宮伸穂氏より、貴重な南部鉄器の製作工程、道具の説明などに加え、特典として釜定代表の宮氏サイン入り書籍を進呈します。(11月2日出発の行程は、宮代表のご子息 宮昌太朗氏のご案内となります)また、ツアー当日は展覧会連携企画として、ツアー参加者のみ釜定でお求め頂ける通常定番外の限定品をご用意しております。

見どころ2:盛岡市内の希少な巨匠建築巡り(ガイド案内つき)


ニューヨーク・タイムズ紙が「今年行くべき52か所」を発表し、英ロンドンに次いで岩手県盛岡市が2番目に紹介されました。釜定がある、盛岡市紺屋町の西洋と東洋の建築美をミックスした街並み、東京駅舎の設計で有名な、辰野金吾ほか有名建築家、重要文化財の建築物をご覧頂きます。盛岡の美味しい食事を味わい、盛岡の違った視点からの魅力を堪能いただければ幸いです。
★参加特典
 釜定代表 宮伸穂氏サイン入り書籍『南部鉄器のある暮らし 釜定の仕事』を進呈します
 

お申込方法

◎受付は終了しました

◎お申込み方法

電話:019-658-8644(トラベル・リンク㈱ 平日10:00~17:30)
申込フォーム:下記フォームよりお申込ください

《旅行業約款はこちらから》

 


【チラシはこちらから】


【企画協力】南部鉄器 釜定展実行委員会
【助成】公益財団法人全国税理士共栄会文化財団
【旅行企画・実施・問合】トラベル・リンク株式会社 
(一社)全国旅行業協会正会員 
岩手県知事登録旅行業第3-227号
岩手県盛岡市大通3丁目2-2第6大通ビル4F